味覚障害になったら
味覚障害になったら、
わたしは、ぬけがらみたいになってしまうかもしれないと思った。
もとより、腹を満たすことの何倍も
舌で味わうことに重きを置いていて、
それゆえ、たいして大食いでもないくせに
人一倍食い意地が張っているわたし。
夏バテや風邪で食欲がない。
それはわかる。
しかしながらわたしの場合、
それは必ずしも「= だから食べない」には繋がらないのだ。
全然お腹すかないなあ…。
けど口がさみしい。なんか食べたい。
で、とりあえず何かしらを味わう。
(だから体調を崩したところで体重が減ることは滅多にない)
甘味も塩味も酸味も苦味もうま味も
なにもかもわからなくなってしまったらどうしよう。
大好きなチョコレートの味も、
ポテトチップスの人工的な塩っ気も、
きゅうっと顔が縮むようなレモンのすっぱさも、
あんまり好きじゃないピーマンの苦みも、
ほっと体がゆるむようなお出汁の味も、
ああ、たった一つでも欠けてほしくない。
日本に四季があるように、
味覚にもぜひとも彩りがあってほしい。
味をなくしたわたしの世界は色を忘れて、
きっとよそよそしくモノクロになる。
それほどに深刻な問題なのだ。
味わえる、って素晴らしい。
酷い鼻づまりのせいで
食べ物の味がよくわからなくってつらい現状。
もしも…って考えたらぞっとした話でした。