わたしらしさに彩りを。

日々のよしなしごとを綴ります。食べることとaikoと言葉をこよなく愛する女子大生。

よしなしごと

そして生活はつづく

重い体を引きずるようにして起き上がり、ふと鏡をのぞくとぎょっとするほど顔が土気色だった。 不健康という言葉をそのまんま具現化したような色。 たっぷり寝たにもかかわらず、目の下には落ちくぼんだような影ができ、頬はげっそりとこけている。 と言いた…

春過ぎて

自転車を漕いでいてしたたるほどの汗をかいたのは、今年に入って今日がはじめてだったように思う。 そこらじゅうに、夏のはじまりが満ちている。 ひとつの足掻きを終えることができた。 最近うわあっと書いていたものを 無事〆切に間に合わせることができた…

大切な人たちのこと 2

今年度に入ってから、一人で過ごす時間が圧倒的に多くなった。 高校生までは家族と一緒に暮らしていたし、 毎日学校に行くから絶対クラスメイトや部活の友達と話すし、 誰とも会わずに過ごす日なんて、思えば一日もなかったんじゃないかと思う。 大学生にな…

京都みたいな女に生まれたかった

京都は、あざとい女だと思う。 気まぐれで自己中で、自由奔放で。 「風薫る五月?そんなの知らない!」とでも言わんばかりに 容赦なく日差しを照りつける。 人々の気力と体力をことごとく奪い、 真夏日の連続で辟易させながらあわただしく皐月を終えたかと思…

味覚障害になったら

味覚障害になったら、 わたしは、ぬけがらみたいになってしまうかもしれないと思った。 もとより、腹を満たすことの何倍も舌で味わうことに重きを置いていて、 それゆえ、たいして大食いでもないくせに人一倍食い意地が張っているわたし。 夏バテや風邪で食…

いつかのわたしへ

毎日を、ちょっとだけ泣きたいような気持ちで過ごしていた。 というのは少し嘘で、 毎日を、ちょっとずつ泣きながら過ごしていた。 将来への、漠然とした不安。 自分の将来なんて自分自身でつくっていくより他になくて、 誰のせいにもできないし、なんの保証…

「好きだから、あげる。」

ぼろぼろ泣きながら本を読んでいると、 「ピーッ!ピーッ!」 という遠慮のない音がして、いきなり現実に引き戻された。 りんごのケーキが焼けたのだ。 本に夢中になるあまり、すっかり忘れてしまっていた。 布巾を手に取り出してみると、表面が香ばしく色づ…

型破りバレンタインの話。

小学生の頃、よく物語を書いていた。 読むだけでは飽き足らず、好きな本をノートに写したりするうち、自分でも物語を作りはじめたのである。 はじめて書いたのは多分小学2年生ごろで、 読み始めた「ちゃお」の見よう見まねで恋愛ものを書いてみたり、(「道端…

言葉の森を歩く

作家の宮下奈都さんとピアニストの金子三勇士さん、調律師の中谷哲也さんによる、トーク&コンサートに行ってきました。 その名も『「羊と鋼の森」を歩く』。 ご存知の方も多いかと思いますが、「羊と鋼の森」は、2016年本屋大賞を受賞した小説です。 講演会…

図書館のつかいかた

しばらく本を読めていない。 もう体が切実に切実に活字を欲していて、というのはちょっと大げさにしろ、実際かなり渇望していた。というわけで、久しぶりに図書館に行ってきた話です。 いま住んでいる市の貸出期間は2週間、上限は10冊。地元の図書館は2週間…

ときめきメイクアップ

女の子で良かったなあ、と感じる瞬間。それは、結構な頻度でわたしの元へ訪れる。 ふんわり広がるワンピースや、見ているだけで体温があがるような、素敵なドレス。きらびやかな振袖だって、女の子だけの特権だ。 髪の毛をくるんとカールさせるとテンション…

夢は夢を駈ける

「宇宙兄弟」の作者である漫画家、小山宙哉さんの情熱大陸をみた。 ひたむきに夢を追いかけて実現し、叶えてもなお、上を目指して努力し続けるその姿勢。 『これからも夢を食べて生きていく』 「May Dream」が発売されたときの、aikoの言葉がよみがえる。 夢…

未知、満ちる。

人によって思考回路がぜんぜん違うのっておもしろいな、ってこのごろよく思う。 たとえば、 小さな秘密を打ち明ける。ささいな悩みを相談する。他愛もない話題を振る。 それに対して、別段意識することもなく、ごく自然に返ってきた言葉たち。 そこに、自分…

ときのあいだ

最近読んだ本の中に、すごく素敵な文章があった。 「やりたいと思ったときが、時間のある時なんだ。そういうのをしなくなったら、時間の奴隷になっちゃうよ。やりたいと思ったときに、ぱっと手を出さないと届かなくなることがあるんだ。」 (「王国 その1 ア…

運命

外に一人でいるとき、無意識に頭の中で文章を組み立てる癖があることに気がついた。 たぶんすごく変だと思う。目に映る景色、感じたこと、見えるはずのない自分の歩く姿なんか。考えて組み立てて、その場限りで消えてゆくものを作り続けている。 もう一つ。 …

思い出すのは。

昼間の暑さが嘘みたいに涼しい風が香る中を、すり抜けるようにして歩いた。 夜ごと秋が深まってゆく。 思い出す、というよりもっと自発的なもの。考えるより先によみがえるから、その都度はっとさせられてしまう。この季節は特に。断片的な記憶や景色、空気…

本を読む ということと、読書日記

本屋さんよりも、図書館が好きかもしれない。好きというか、より近しいもののように感じるのだ。 図書館は、物心ついた頃からごく自然に日常に組み込まれている存在だった。わたしと同じく本好きな母の影響である。 ずらりと並んだ本の背表紙に目を這わせる…

良質なものを身に付けたい ということ

最近、切実に思うことがある。 自己投資にお金をかけたい、とりわけ、良質なものを身に付けたい、ということである。 デザインや流行、それと安さ。これまではだいたいそんな基準で身に付けるものを選んできた。洋服然り、アクセサリー然り、化粧品もまた然…

大切な人たちのこと

ここ二日間で、懐かしい人たちとたくさん会った。 再会を心待ちにしていた人から、思いがけず会って話ができた人まで。とても嬉しかった。ずっと変わらない、大切な人たち。 昨日は、中3のときのクラスメイトと。卒業から4年以上経つけれど、今でも頻繁に連…

映画を観る ということ

映画館で映画を観たあと、世界の色が違って見えることがとても多い。見慣れた景色にどきどきしたり、はじめてなのになつかしい気持ちに出逢ったりするのだ。 感情をうまくまとめきれずに、ぼうっとしたまま劇場を出る。すると、たいてい外の世界は嘘みたいに…

ひとりカフェ について

1年ほど前まで、ひとりでおでかけするのがとても苦手だった。 買い物や映画もかならず誰かを誘っていたし、食事をするなんてもっての外。そりゃ時間つぶしにマックくらいは入れたが、おしゃれなカフェで優雅なひととき、なんて到底叶わぬ夢だった。 ひとりが…

食べる ということ

あたたかいものとあまいものは、どうしてこうも人をしあわせにするのだろう。 あついコーヒーが喉をすべり落ちると、すぐさま体じゅうに幸福の波紋が広がってゆく。ふしぎなくらいみちたりた気持ちに覆われ、なんの過不足もないのだ、という無敵の気分に包ま…