わたしらしさに彩りを。

日々のよしなしごとを綴ります。食べることとaikoと言葉をこよなく愛する女子大生。

ぜんぶ秋のせいだ

 

「華奢」という言葉への憧れは、多分永遠に続くのだろうと思う。

まず、言葉そのものがすごく可憐でかわいらしい。華奢、きゃしゃ。


薄い肩やほっそりしたウエスト、ちいさな顔に、はかなげな輪郭。ただ「細い」というのとは違う。同性でも思わず守ってあげたくなるような、独特な雰囲気。

どれも持ち合わせていないから、いいなあ、とよく思う。

 

憧れなんていう生やさしいものではなく、もっと猛烈に羨ましいものがある。

それはね、食べても食べても太らない体質。


自分史上最高ではなかろうか、というほど顔が丸いことには薄々気がついていて、何度もなんども痩せようと決意したが、その度挫折を繰り返してきた。
だって、食べることが好きなのだ。ほんとにほんとに好きなのだ。


並外れて胃が大きい、というわけではない。
むしろ満腹になる量は人とあんまり変わらないのだが、お腹がいっぱいになろうと食欲が止まらない、というのが困ったところである。

別にお腹空いてないけどなんか食べたい、なにかしら舌で味わっていたい。
そう感じる頻度や思いの強さが桁違いなのだ、きっと。

 

「やわらかなレタス」という江國香織さんのエッセイに、「そう!そうそうそう!!!」と、首がもげそうなほど頷きたくなる一節がある。


「お昼が遅かったので全然空腹ではなかったが、胃ではなく舌の欲望に負けて、鯵丼ときゅうりサラダも作ってたべた。好きなものをたべられるというのは、何ていいことだろう。」

 

格段に好き嫌いの減ったわたしが、今でも唯一たべられないのがきゅうりだが、それはこの際どうでもいい。

めっちゃくちゃわかる、

『胃ではなく舌の欲望に負けて』。

あまりの共感できるので、ほとんど口癖みたいになってしまったほどだ。


「ちゃうねん、お腹はいっぱいやねんけど口が食べたいねん…」

??? みたいな顔をされることもよくあるのだけれど、いや逆になんでなん? って思ってしまう。
お腹がいっぱいになったらそこで食べるのをやめられる人(もしくはお腹がすくまで何も食べずにいられる人)を、わたしは心底尊敬している。そして、心底羨ましい。


普段無意識に手に取るたべものを思い返してみると、愕然とするほど甘いもの率が高いことに気づく。

たぶん砂糖依存気味なのだろう。朝パンケーキ、昼パフェ、夜菓子パンとか、全然へいき。むしろ間食にシュークリームとかチョコレートとかアイスも喜んで食べますって感じなのだ。


甘いものが好きなのは昔からだけれど、大学生になってからというものどんどん加速していっている気がする。どこまでいくのか全く見当がつかなくて、我ながらちょっと恐ろしい。

甘いものを美味しいと感じられなくなったらどうなるだろう、ってたまに考える。
多分みるみる痩せてくやろうな……。けど、そんなのわたしじゃないな!!


めっちゃ食べるのに細い人、いますよね。
そういうわけで、ものすごく羨ましいのだ。

もしも一個だけ魔法が使えますって言われたら、最終候補の五つに残りそうなくらいには切実に思う。三つって書こうとしたけどそれはちょっと迷ってもたわ。

 


痩せたいと食べたいの狭間で。

明日も、生きる。