わたしらしさに彩りを。

日々のよしなしごとを綴ります。食べることとaikoと言葉をこよなく愛する女子大生。

裏切られてもずっと好き

 

人混みの中に紛れていても、

目立たない片隅にひっそり佇んでいても、


彼が視界の端に入るだけで、わたしはどうしてもそこを素通りすることができない。

 

思わず足を止めて近寄り、そっと手をふれる。


時に思わず顔がほころぶほどやさしく、

でも時には、拒絶するかのようにかたくなで。

そんなときはかすかに落胆するものの、
やっぱり大好きな気持ちは変わらない。

 

 

あれはいつのことだろう。

確か、わたしが小学生くらいだったと記憶している。
出会いは、母を介してのことだった。

 

はじめは、どうしても苦手だった。

まだ早熟だった彼のことを、わたしはなんだか青臭いと感じていた。

子供心に、好きにはなれないと思った。

 

 

それから月日は流れ、わたしが高校生になった頃のこと。


ずっと忘れていた、その彼と再会した。

 


あまりの衝撃に、わたしは目を見張った。

 

彼は、こんなにもやさしかっただろうか。

こんなにもやわらかく、多様な表情を見せるのだっただろうか。

 

頑強な見かけとは裏腹に濃厚で、くせがなく、
主張しすぎないのにたしかな存在感に溢れている。

 


たちまちわたしは、夢中になった。

 

毎日だって構わなかった。

飽きることなんてないと思っていたし、事実それは今も全く変わっていない。

 

わたしは彼を、愛している。

 

 

しかし、再会の喜びも束の間、

彼は時々わたしにつらく当たった。


わたしがどんなに期待を込めて手をふれても、
芳しい反応は得られないことは今でもしばしばである。

 

自分の殻に閉じこもったみたいによそよそしい時もあれば、

複雑に絡み合い、わたしに付け入る隙を与えない時もある。

 

そのたびわたしは、ぎゅっと唇を噛みしめる。

 

こんなに好きなのに。

愛しているのに。

 

どうしてちゃんと、熟れていないの。

どうしてこんなに、筋張ってるの。


外見からは判断しきれないから、
裏切られた経験は数知れない。

 

罪のない彼に、見返りを求めてはいけない。

そう言い聞かせるもやっぱり寂しくなってしまう。


だって、こんなに好きなんだもん。

 

 


しかし、だからといって
この想いは一ミリも変わらない。

 

たとえ固い時があっても、

筋張っている時があっても、


これからもずっと愛し続けようと心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注: 上記はすべてアボカドの話です)